ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!
Fair Trade Report
生産者の子どもたちが通う小学校にフェンスを設置しました【エクアドル】

2024年11月、フェアトレード部員がエクアドルのコーヒー産地を訪問しました。
ゼンショーは2011年から、エクアドルのコーヒー生産者とフェアトレードの取り組みを継続しています。

エクアドルは南米コロンビアとペルーの間に位置しており、面積は25.6万㎢と、およそ日本の本州と九州を合わせた大きさで、カカオやバナナの産地としても知られています。
周辺国のペルーやボリビアでは、先住民が高山病の予防や疲労回復のためなどに飲用するコカ茶の原料として、合法的にコカの葉が栽培されています。そのコカの葉は時折密輸され、隣国で麻薬のコカインに加工されます。エクアドルはこの地理的な背景から、麻薬密輸の中継地となることがあり、継続的に治安の課題を抱える地域も存在しています。
また、国内の消費電力の約8割を水力発電に依存している中、干ばつなどが原因で都市部でも頻繁に停電が起きるなど、電力の逼迫も問題となっています。

ゼンショーと取り組みを行うコーヒー生産者は、エクアドル最大の港湾都市グアヤキルから車で約2時間移動したカスコルという地域でコーヒーを栽培しています。
ゼンショーがフェアトレードの取り組みを開始した当初、地域内には小学校が少なく、生産者の子どもたちは学校に通うことができませんでした。そこでゼンショーは社会開発資金※を使用し、7つの集落に合計13棟の学校と、15の教室を建設しました。
その後の社会開発活動では、エルニーニョ現象によって急速に広がったさび病により、コーヒーの生産量が減少していた生産者を対象に、育苗場で新たなコーヒーの苗を育て配布する取り組みなどを行ってきました。
※社会開発資金…原料買取価格の中で、現地の人々が必要とする様々な生活改善活動に充てられる金額のこと。

フェアトレード部員は今回の訪問で、これまでに建設した学校のうちの1つで、生産者の子ども20人が通うサン・パブロ小学校を訪問しました。この小学校は麻薬組織の密輸ルートの近くに位置しており、子どもの安全に不安を感じていた保護者が多かったため、社会開発資金を使用し部外者の進入を防ぐフェンスを設置しました。

女性生産者の一人は、「ゼンショーのこの取り組みに感謝しています。私たちも、今世界で起きている混乱の影響を受けています。平和な日常を守るために、大人たちは日々努力をしています。この取り組みの継続は、子どもたちの安全を守るために必要なことです」と語りました。

また、フェアトレード部員はコーヒー豆の二次加工場の様子も確認しました。ゼンショーはエクアドルから、有機栽培のコーヒー豆を輸入しています。生豆の最終の選別を手作業で行うことにより、女性の雇用を確保しながら、安全・安心なコーヒーをお客様にお届けしています。

ゼンショーは今後も生産者と協力しながら、エクアドルでのフェアトレードの取り組みを継続していきます。