ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!

Fair Trade Report

さび病被害を乗り越えた先に【ニカラグア】

ゼンショーは2015年より、ニカラグア北部で活動するコーヒー生産者組合をパートナーに、コーヒーのフェアトレードに取り組んでいます。

ニカラグアから調達しているコーヒー豆は、取り組み開始から6年が経った現在では良質な有機コーヒー豆を安定的に日本に輸出できる状態になっていますが、取り組み開始時は厳しい状況にありました。2014年に行った現地調査では、気候変動の影響による長雨に誘発された“さび病”によって、多くのコーヒーの木が枯れていました。そして、残された木々には生産者たちによって殺菌剤が散布され、有機栽培を続けることよりも激減した収入源を守ることが優先されていました。

フェアトレードでの取引を始めるにあたり、「生産量を増やし生活を立て直してもらうためには何をすべきか」という点が生産者組合と協議すべき課題でした。
さび病が蔓延している中では、耐病性の高い品種での再出発を支援することが妥当に思われましたが、生産者は先祖代々育ててきた品種に強い想いを持っていました。ゼンショーはこの想いに共感し、この伝統品種での苗づくりと植え替え、および有機認証の再取得に向けた取り組みへの支援を始めました。コーヒーの木が、商品として十分な品質と量の実をつけるようになるには、植樹後から約5年かかります。ゼンショーはこの期間、有機認証を失ったコーヒー豆を継続購入することによって生産者を支援を続けました。

そして、時は流れ2019年、有機JAS認定再取得の完了と収穫量回復の兆しが見えたことによって、生産者たちの努力は大きく実りました。

また、生産者たちは、非有機コーヒー豆のフェアトレードによって生まれた社会開発資金を、今もさび病による収穫量の低下に苦しむ他の生産者組合のために使うことを選びました。その判断には、同じコーヒー生産者として支え合うことの大切さ、仲間への想いが込められています。

※社会開発資金…原料買取価格の中で現地の人々が必要とする様々な生活改善活動に充てられる金額のこと。

ゼンショーはこれからも、この生産者組合とのフェアトレードを続けることによって伝統品種の生産と地域社会への貢献を支援していきます。

  •  
    いいね
  • LINEで
    シェア