ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!

Fair Trade Report

伝統的な環境保全型有機農業を次世代に継承する【メキシコ】

ゼンショーは2009年4月から、メキシコ南部、チアパス州の生産者組合とコーヒーのフェアトレードを行っています。

チアパス州には、白人と先住民の混血であるメスティーソという人々や、農地改革による土地の再分配で山間に定着したエヒードと呼ばれる農民が山岳地帯に多く暮らしています。所得水準が低く、メキシコで最も貧しい州ともいわれています。ゼンショーが取り組みを行う生産者組合の農民たちは、エルトリウンフォ自然保護区に隣接する標高1,000m~1,800mの山々の自然豊かな斜面で、環境保全型有機農業によるコーヒーの栽培を行っています。

※エヒード…1917年に創設された、メキシコの土地共有制度。また、その制度により国有地の使用が認められた、土地を持たない農民のこと。
※環境保全型有機農業…化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した、持続的な農業。

ゼンショーは、この有機栽培コーヒーを継続的に購入することで、持続可能な環境保全型有機農業を支援。農民たちが栽培する農産物の付加価値が高まり、収入の向上、安定につながっています。

また、ゼンショーは、フェアトレードから生まれる社会開発資金を活用し、現地で養鶏プロジェクトの実施などを行ってきました。

現地では近年、気候変動によるコーヒー生産量の減少や、若者の都市部への流出による人手不足が喫緊の課題となっています。そこでゼンショーは、より多くの若者が就農し、コーヒー栽培が次世代に継承されるようにすることを目的の一つとして、農業研修センターを建設。若い世代に向けた農業研修の実施などを支援しています。

また、生産者の暮らす山間部から都市部に出るには、未舗装の山道を3時間以上かけて移動する必要があり、生産者たちは医療施設へのアクセスが困難な状況でした。そこでゼンショーは、生産者からの要望に応え、各家庭に薬箱を配布。現在では30集落、全265世帯に普及しています。

ゼンショーは今後も定期的に直接産地を訪問し、生産者との信頼関係を醸成していきます。また、公正な価格で継続的にコーヒーを購入し続けることで、生産者の経済的自立を支援してまいります。

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