社長メッセージ

フード業世界一を目指し、成長を加速させていく

トップメッセージ

迅速な意思決定で更なる成長へ

 このたび、2025年6月に代表取締役社長兼CEOに就任いたしました。ゼンショーが掲げる「食を通じて、人類社会の安定と発展に責任をおい、世界から飢餓と貧困を撲滅する」という企業理念を実現するためには、現在の企業規模に満足することなく、さらに成長のスピードを上げていかなければなりません。グループの店舗をはじめとする現場に足を運びながら、実情に基づいた経営判断を素早く行い、成長を加速させたいと考えています。



国内事業の改革と安全の再構築

 成長のスピードを上げていくうえで、まず行わなければならないのが国内事業の基盤強化です。
 具体的にはまず、全店における「きれいなお店でおいしい商品を提供する」ことの徹底です。ゼンショーでは「安全、品質、コスト」という経営の優先順位を長年掲げてきました。しかし、先般の異物混入事案を受け、この優先順位が現場の実態として十分に反映されていたとは言い難い状況にあったことを真摯に受け止めています。これを契機に、清掃時間の確保や衛生教育の徹底などのオペレーション面の対策に加え、経年劣化が進んでいる店舗の改装など設備面においても対策に取り組んでいきます。
 もう一つ進めていきたいのが「出店できる業態への磨き込み」です。現在、国内事業において年間数十店舗単位で出店できている業態はごく一握りです。ゼンショーが現在国内で展開している外食業態には、磨き込めばお客様からさらなる支持を得て出店を加速できるものが多いと考えています。商品やオペレーション、さらに店舗デザイン等の空間面においても、業態の磨き込みを急ピッチで進めていきます。



グローバル事業の拡大とシナジーの創出

 また、グローバル事業、すなわち海外での展開については、まず一つ目の核を担うのがテイクアウト寿司業態です。
 2018年のアメリカのAFCを皮切りにグループに加えてきた、テイクアウト寿司業態の関連会社すべてを、2024年に「Wonderfield Group」として統合しました。これまでWonderfield Group内での統合やゼンショーとの事業統合に時間をかけてきましたが、テイクアウト寿司はヨーロッパや北米といったいわゆる先進国で日本食を販売していくには最適なフォーマットであり、成長余地も大きいとみています。
 また、外食業態については、すき家に加えはま寿司も海外での展開が形になってきたところであり、出店のスピードを上げていきたいと考えています。



多数精鋭の人財が成長の鍵となる

 成長戦略の実現において、最大の鍵を握るのが「人財」です。私たちは「多数精鋭」という考えのもと、競争力ある人財の大量育成に取り組んでいます。事業の成長スピードに対応するため、若手・中堅の人財が海外を含む多様なフィールドに挑戦できる機会を用意し、能力を飛躍的に伸ばすサイクルを作っていきます。
 また、会社が成長を続けていくためには、従業員が企業理念を腑に落とし、自分事と捉えられることも重要です。すき家では能登半島地震の際、従業員が地域の「食のインフラ」としての自覚を持ち、店舗の営業再開やキッチンカーでの炊き出し実施に当たり率先して支援に加わる姿勢を見せてくれました。このように企業理念が従業員一人ひとりの行動に結びつくことが、ゼンショーの強みでもあります。



理念を軸に、非凡な会社であり続ける

 ゼンショーは創業以来、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という類稀な企業理念と、「フード業世界一」という大きな目標を掲げ、急成長を遂げてきました。その会社を未来に向け継承する中で、やってはならないのは「並の会社」になってしまうことだと思っています。類稀な企業理念を実現するためには、非凡な会社であり続けなければなりません。それを支えるのは、企業理念に共感して集まった非凡なメンバーです。
 今後も、私たちの企業理念に共感してくださる方々をグループのメンバーとして迎え、また、お取引先様とも「ともに成長するパートナー」として協力し合いながら、「人類社会の安定と発展」および「飢餓と貧困の撲滅」に向け成長し続けていきたいと考えています。

小川 洋平

株式会社ゼンショーホールディングス
代表取締役社⻑兼 CEO
小川 洋平