ゼンショーの研究開発

ゼンショーの研究開発

新しい技術への挑戦

研究開発部門では、ゼンショーグループの使命「世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供する」ための根幹であるMMDの各工程の技術革新に取り組んでいます。取り組みの成果は、さらなる食材のおいしさや鮮度向上、お客様に喜んでいただける商品・サービスの提供に活用しています。

MMDの仕組み

食材を農業や水産業など一次産業までさかのぼりゲノムレベルから設計する、また日本古来の発酵食品・醸造食品に新たな価値を追求する研究開発に取り組んでいます。

1. 食材開発

おいしい食を手軽な価格で提供するため、良質・多収、安定生産を目標とした食材の研究開発に取り組んでいます。
特に日本の主食である米においては、最新のゲノム解析やセンシングを導入し、生産現場を始めとしたMMDの各工程と連携を取りながら研究を進めています。

食材開発

2. 発酵・醸造技術開発

しょうゆに関わる研究開発を行っています。「しょうゆ」は日本固有の調味料であり、和食には欠かせない調味料です。
世界の人々に和食を楽しんでいただくための調味料と考えており、しょうゆのおいしさや特徴について科学的な評価や、安定的に高品質な生産を行うための研究開発を行っています。

発酵・醸造技術開発
持続可能な食の提供を考え、従来からの調理技術にとらわれず新たな食材や調味料を活用し、様々なメニュー開発、商品開発に役立てる調理加工技術に取り組んでいます。

1. 食品加工技術開発

外食、スーパー、介護、ECの分野でおいしい食を世界中に提供するため、冷凍、冷蔵、常温の各温度帯でのレオロジーやテクスチャー、フレーバーリングなど、様々な調理加工技術を活用した製品づくりに取り組んでおります。またオンリーワンの新たな技術開発もテーマの1つです。

新しい調理技術
成分分析技術や官能評価技術、味覚・嗅覚の受容メカニズム解明技術を駆使して、食品のおいしさの本質を探り、得られた知見を活用し、お客様の「おいしい」を追求することに取り組んでいます。

1. おいしさの分析技術

おいしさの構成要素である味、香り、テクスチャーを化学成分から理解するために、最新の分析技術を活用し、商品開発や原料選択、調理加工工程の最適化など様々なおいしさ向上に貢献しています。

おいしさの分析技術

2. おいしさの官能評価

おいしさを定量的に表現することを目指し、最新の官能評価技術を駆使した研究開発に取り組んでいます。またメニュー開発や食材選択のための評価者の育成をおこない、マーケティング戦略や商品開発に役立てています。

おいしさの官能評価

3. おいしさのメカニズム解析

ヒトが食品を食べた時に感じるおいしさを理解するために、味覚や嗅覚など感覚情報のメカニズムを解明する研究に取り組んでいます。
得られた結果を活用し、新しい食材開発や、また食べたくなる商品の開発をサポートする研究に取り組んでいます。

おいしさのメカニズム解析
お客様に毎日の食で健康な生活を送っていただけるように、外食の健康価値に関する研究、健康価値の商品への応用、健康に関連する情報の発信に取り組んでいます。

1. 外食の健康価値

お客様が普段何気なく召し上がっている外食メニューの健康価値に関する研究に取り組んでいます。これまでに食後血糖値やn-3系脂肪酸(オメガ3)についての研究に取り組み、実施した研究成果は学会発表を行いました。

→2018.08.24 プレスリリース

→2019.09.02 プレスリリース

→2023.3.23 プレスリリース

→2023.8.29 プレスリリース

外食の健康価値

2. 健康価値商品への応用

「手軽に、おいしく、健康になる食」をお客様へ提供するために、食材に含まれる栄養素や機能性素材の調査・研究を行い、それらの成果の商品への応用を事業会社と連携しながら進めています。
2017年、すき家で、全国に展開する外食チェーンとしては初めてロカボ(緩やかな低糖質)商品を開発、発売しました。

→2017.03.28 ニュースリリース

→ゼンショーグループのロカボの取り組みについてはこちら

3. 健康情報の発信

栄養素の働きやそれぞれの栄養素が含まれる食材・メニュー、食と健康に関する情報などを発信しています。

→食健ラボHP

→食健ラボ X(旧 Twitter)

食健ラボ
食事を美味しく召し上がっていただくには、お客様の理解や満足していただくためのサービスが重要であると考えています。心理学や脳科学、情報工学を駆使して楽しいお食事の提供に取り組んでいます。

1. ロボ実証実験

店舗でのお食事をもっと楽しんでいただけるように、AI(人工知能)・ロボットなどの新技術を応用したコミュニケーションに関する研究・開発に取り組んでいます。
ファミリーレストラン「ココス」では、家族のお食事をもっと楽しくするため、ロボットによるおもてなし実証実験を実施しました。

ロボ実証実験

2. お客様理解を深めるデータ解析

日々お客様から頂くご意見や店舗の状態をAI(人工知能)を活用して分析する技術を研究しています。
これらの技術は多様化・高度化するお客様のニーズを効率的に予測したり現在の店舗の状況を的確に把握することを可能にし、サービス品質の向上に役立てられます。

お客様理解を深めるデータ解析

外食低糖質メニューおよび中食低糖質メニューが食後血糖値に及ぼす影響

【発表日】2023年8月25日
【学会名】日本食品科学工学会 第70回記念大会
【発表者】小竹 万葉※1,和田 衣里香※1,福本 将輝※2,丸山 一樹※1,永井 元※1,林由佳子※2
※1 株式会社ゼンショーホールディングス ゼンショー中央技術研究所 食で健康!食健ラボ
※2 京都大学 大学院農学研究科 農学専攻 品質評価学分野

2週間の魚朝食がヒトの血中n-3系多価不飽和脂肪酸組成に与える影響

【発表日】2023年3月14日
【学会名】日本農芸化学会 2023年度大会
【発表者】福本 将輝※1,小竹 万葉※2,丸山 一樹※2,永井 元※2,林 由佳子※1
※1 京都大学 大学院農学研究科 農学専攻 品質評価学分野
※2 株式会社ゼンショーホールディングス ゼンショー中央技術研究所 食で健康!食健ラボ

A Novel Voluntary Intake Method to Investigate Taste-Elicited Affective Reactions in Mouse

【発表日】2022年4月29日
【学会名】AChemS XLIV(the Association for Chemoreception Sciences 44th annual meeting)
【発表者】Nirin Udomsom※1, Hajime Nagai※1, Yasunobu Yasoshima※2, Keiko Yasumatsu※3
※1 Zensho Central Institute for Science and Technology, Zensho Holdings Co., Ltd.
※2 Division of Behavioral Physiology, Graduate School of Human Sciences, Osaka University
※3 Department of Dental Hygiene, Tokyo Dental Junior College

Evaluation of taste-elicited affective reactions in mouse by a novel voluntary intake method(マウスの自発摂取による新しい味覚嗜好性評価法の確立)

【発表日】2021年9月24日
【学会名】日本味と匂学会 第55回大会
【発表者】ウドムソム ニリン※1, 永井 元※1, 八十島 安伸※2, 安松 啓子※3
※1 株式会社ゼンショーホールディングス ゼンショー中央技術研究所
※2 大阪大学大学院 人間科学研究科 行動生理学研究分野
※3 東京歯科大学短期大学

サラダ及びチーズの同時摂取が牛丼の食後血糖値に与える影響

【発表日】2019年8月30日
【学会名】日本食品科学工学会 第66回大会
【発表者】瀬戸 栄里※1,今田 敏文※2,小竹 万葉※2,永井 元※2,西村 公雄※3,林 由佳子※1
※1 京都大学 大学院農学研究科 農学専攻 品質評価学分野
※2 株式会社ゼンショーホールディングス ゼンショー中央技術研究所
※3 同志社女子大学 生活科学研究科

牛丼の具やキャベツが米飯の食後血糖値に与える影響

【発表日】2018年8月23日
【学会名】日本食品科学工学会 第65回大会
【発表者】林 由佳子※1, 今田 敏文※2,瀬戸 栄里※1,中原 宏※2,永井 元※2,西村 公雄※3
※1 京都大学 大学院農学研究科 農学専攻 品質評価学分野
※2 株式会社ゼンショーホールディングス ゼンショー中央技術研究所
※3 同志社女子大学 生活科学研究科

Taste and Aroma Characterization of Matcha Using a Taste Sensor System and Gas Chromatography-Mass Spectrometry-Olfactometry

【発表日】2018年7月27日
【学会名】SPISE 2018 (Summer Program in Sensory Evaluation)
【発表者】柳田 一樹※1,今田 敏文※1,矢作 麻莉子※1,尾関 峻輔※1, 永井 元※1
※1 株式会社ゼンショーホールディングス ゼンショー中央技術研究所