ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!
Fair Trade Report
紅茶生産者の収入改善を【ケニア 】

2024年9月、フェアトレード部員がケニアの紅茶産地を訪問し、生産状況や社会開発活動の進捗を確認しました。
ゼンショーは2009年7月からケニアと紅茶のフェアトレードを行っています。現地の企業をパートナーに、カンガイタ地区とルクリリ地区の2つの地区から紅茶をフェアトレードで購入しています。
東アフリカに位置するケニアは、新型コロナウイルスが収束した2023年のGDPでは前年比で約6%の経済成長を遂げている一方、現地では都市部と農村部の格差が拡大しているとされています。茶を摘採する生産者が得られる賃金は日給600円ほどに留まっており、依然として生活改善が必要な状況にあります。

インドに次ぐ世界2位の紅茶生産量を誇るケニアでは、品質の良い紅茶が生産されています。ケニアの紅茶は他の国の茶葉とブレンドして使用されることが多い中、ゼンショーではケニアの茶葉だけを使い栽培地区の茶の特徴を活かした商品に仕上げ、グループ店舗でご提供しています。

産地では、それぞれの地区の状況に応じてフェアトレードによる社会開発資金※を活用した取り組みが実施されています。国の中央にそびえ立つケニア山の南に位置するカンガイタ地区では、生産者の収入向上や食物から得る栄養の改善を目的に、合計250頭の山羊を購入し各家庭に配布しました。現地の生産者は、「山羊のミルクは栄養価が高く、子どもの発育をサポートしてくれます。山羊は多産で頭数が増えやすいので、余ったミルクを販売することで収入が増え、新たな家畜を購入することができました。」と話していました。
生産者は家畜由来の有機物から肥料を作り、家庭菜園にも活用しています。
※社会開発資金…原料買取価格の中で現地の人々が必要とする様々な生活改善活動に充てられる金額のこと。

カンガイタ地区から車で1時間半ほど移動したところにあるルクリリ地区では、小学校で倉庫として使用されていた教室を2019年に図書室へと改装し、机や書籍を設置。子どもたちが快適な環境で学習できるようになりました。

また、生産者の収入改善を目的として農家に養蜂用の巣箱を100個設置しました。すでにその約半数の巣箱に蜂が巣を作っており、生産者たちは収穫したハチミツを国内の市場で販売することで、収入の増加につなげています。
生産者の一人は、「養蜂プロジェクトは収入の向上だけでなく、果菜や果樹の受粉にも欠かせません。ゼンショーのフェアトレード部員が直接訪問してくれたことを嬉しく思います。これからもこのプロジェクトを継続してほしいです。」と話していました。
ゼンショーは今後も産地の状況に寄り添いながら、ケニアと継続的なフェアトレードを行っていきます。