ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!

Fair Trade Report

4年ぶりにコーヒー生産者と再会しました【東ティモール】

ゼンショーのフェアトレードは2007年、東ティモールから始まりました。東ティモールは、ポルトガルによる植民地支配の後、インドネシア軍の占領からの独立闘争を経て2002年5月20日に独立。現地では日本のNGOによって、独立闘争の帰還兵たちがコーヒーの森を再生しコーヒー産業を立ち上げる取り組みが行われており、そこにゼンショーがNGOとともに直接関わることになりました。

それから16年。以前は、復興開発支援に関わる外国籍駐留者や華僑系の住民が主に利用していた首都ディリのショッピングセンターを、現在では地元の人々が多く利用するようになり、街中にはスーパーマーケットやカフェが増えました。2023年秋のASEAN加盟を目指し、現在東ティモールでは政府によるインフラ整備が積極的に行われており、ティバール港の新設や新空港の建設計画などが進んでいます。コーヒーの産地においても、道路整備が行き届きつつある場所が増え、電気も徐々に普及してきています。

今回はアラビカ種のコーヒーを生産する、マウベシ郡コカマウ地域ライメラ集落を訪問。フェアトレード部員がコーヒーの栽培状況を確認したほか、生産者の自宅に宿泊し、ともに焚火を囲んで交流を行いました。

現在、東ティモールのコーヒー産地では、コーヒーの木が花を咲かせる時期に干ばつが発生したり、パーチメントを乾燥させる時期に雨が多く降ったりするなど、気候変動の影響で収穫量が減少傾向にあります。また、コーヒーの世界的な需要増加を受け、加工前のコーヒーチェリーを買い付ける多国籍企業が増加。生産者の得られる収入は、パーチメントまで加工を行った場合と比べて減少してしまっている状況です。このような状況の中、ゼンショーは、東ティモールの生産者がパーチメントまで加工し、その後二次加工場で精製した生豆を公正な価格で取引することで、生産者に正当な収入をもたらしています。

※パーチメント…コーヒー豆を包む薄茶色の皮(内果皮)のこと。コーヒーチェリーの果肉とパーチメントを取り除くとコーヒーの原料となる生豆が現れる。

また、現地では、以前に社会開発資金を使用して建設した水道施設が、地域に住む人々に丁寧に使われ、衛生環境の維持に役立っている様子が確認できました。この水道施設は、同じ水源を使用して育てられるコーヒー豆の品質向上にも役立てられています。社会開発資金は今後、産地のコーヒー保管倉庫の増設や、水がまだ行き届いていない地域への水道施設の配備等に使用することを検討しています。

※社会開発資金…原料買取価格の中で現地の人々が必要とする様々な生活改善活動に充てられる金額のこと。

ともに東ティモールでのフェアトレード事業を推進してきたNGOのご担当者からは、「まだ買い手のいない時期から15年間途絶えることなく買い支えてくださったことを、とても感謝しています。」という言葉をいただきました。ゼンショーはこれからも、生産者やNGOの方々と信頼関係を醸成しながら、取り組みを継続してまいります。

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