ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!
Fair Trade Report
コーヒー生産者の暮らしを持続可能に【ペルー】
ゼンショーは2012年から、ペルー北部の生産者組合とコーヒーのフェアトレードを行っています。
2023年7月、フェアトレード部員が現地のコーヒー生産者を訪問しました。
ペルーのチクラヨ空港から車で約8時間かけて移動すると、産地のあるカハマルカ県サンイグナシオへ到着。
標高1,150mから1,800mの山あいの土地には、自然豊かな環境でコーヒーの有機栽培を行う人々が暮らしています。
近年、現地のコーヒー生産者の暮らしは、気候変動によって危機にさらされています。産地では乾季と雨季の境目が曖昧になり、以前は一斉に開花し、一斉に結実していたコーヒーの木が、最近では開花と結実が同じ時期に見られるようになりました。その結果、収穫期が間延びし、その間に受ける虫害やさび病などの病害を受けるリスクが高まっており、収穫量を安定的に維持することが一段と難しくなっています。
一方で、ペルーでは他の中南米のコーヒー生産国と同様に、自国内のコーヒー消費が拡大しています。産地のあるカハマルカ県内で2017年には3軒ほどだったコーヒーショップは、現在では60軒以上に拡大しました。ペルー国民一人あたりの年間コーヒー消費量も、5年前と比較して約4倍と年々増え続けており、日本の消費者である私たちが手にできるコーヒーは今後ますます貴重なものになっていくかもしれません。
今回の訪問では、これまでに社会開発資金を使用して建設された図書館や療養施設に訪問し、使用状況の確認を行いました。2013年に建設された図書館は現在も1日約40名の地域の子どもたちに利用され、平日の午前8時~10時には毎日特別授業を開催しています。 コロナ禍に緊急対策として建設した療養施設は、現在も体調不良者の休養スペースとして活用されています。
また、2021年には社会開発資金を使用し、組合事務所に併設されたミニマーケットがオープン。そこでは家庭菜園プロジェクトで栽培された新鮮な野菜が日替わりで販売されています。芋やトマト、柑橘類などは街中にある個人商店でも販売されていますが、新鮮な葉物野菜は少ないため、マーケットを訪れる人たちにとても好評。生産者にとって、コーヒー以外から得られる貴重な収入源になっています。
生産者の一人は、「次世代を担う子どもたちと一緒に、持続可能な方法でコーヒーを生産し続けることが大切だ」と話します。現地の学校では、将来農業に従事したいと考える子どもたちが増えるよう、農業に関する授業が実施されています。実際に高校を訪問すると生徒が発表会を行っており、自ら調べた農業に関する研究について積極的に話していました。
ゼンショーは今後も、生産者の暮らしに寄り添いながら継続的にフェアトレードに取り組んでまいります。