ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!

Fair Trade Report

女性の声を届けるフェアトレードを目指して【ブルンジ】

2025年8月、フェアトレード部員がブルンジのコーヒー生産者を訪問しました。

東アフリカの内陸に位置するブルンジは、世界でも貧困率が高い国の一つで、国民の多くが1日3ドル未満で暮らしています。植民地時代から続くツチとフツの民族間の対立は根強く、1990年代には大統領が暗殺された事件をきっかけに内戦が起こりました。2000年代まで続いた内戦で多くの人が犠牲となったことや、国際社会から孤立した状態が長く続き、貿易や投資の機会が限られたことで、経済成長が妨げられてきました。

こうした経済発展の遅れは、都市部から離れた地域で暮らす農家の生活にも影響を及ぼし、暮らしや収入を不安定にしています。また、土地や家畜の所有者は男性が多くを占めているなど、男性優位な社会構造が残っています。そして、女性は新たな収入の機会を得る手段が限られ、経済的に自立することが難しい状況にあります。

ゼンショーは2013年から、北東部の国境地帯で暮らすコーヒーの生産者組合とフェアトレードの取り組みを開始しました。内戦で夫を亡くした女性を中心とした、生産者の経済的・社会的自立を目指しています。今回の訪問では、これまでに行ってきた社会開発活動がどのように進んでいるかを確認し、今後の取り組みについて生産者と意見を交わしました。

訪問先ではまず、生産者の方々から日本でコーヒーを飲んでいる方々へ向けた温かい感謝の声を多くいただきました。フェアトレード部員が日本での販売の様子を写真で紹介すると、女性の生産者から「私たちのコーヒーが、実際に“ブルンジ産”として遠く離れた日本で売られているなんて、本当に嬉しい」と、驚きと喜びの声が上がり、自然と笑顔が広がりました。
これまで生産者にとって、自分たちのコーヒーがどこで、どのように飲まれているのかを知る機会は限られていました。そのため、日本での販売の様子を目にし、消費者の存在を身近に感じられたことは、日々のコーヒーづくりに自信や誇りを感じるきっかけになったようです。
また、ゼンショーがコーヒーを継続的に購入していることについても感謝の声が寄せられ、長期的な取り組みが安心感を生み、次の収穫に向けて前向きに取り組む姿勢につながっている様子がうかがえました。

続いて、これまでに行ってきた社会開発活動の状況を確認しました。2020〜2021年に設置した太陽光発電装置(ソーラーパネル・電球・蓄電池)は、現在も使用されている世帯がある一方で、故障により使えなくなっている世帯も見受けられました。設置からおよそ5年が経過した現在、活動を継続していくうえで新たな課題が見え始めています。実際に何軒かの生産者の家を訪問したところ、今も厳しい経済状況の中で生活していることを改めて実感しました。経済的に余裕のない家庭では発電装置の修理が困難であることに加え、定期的な点検や修理を行う習慣が十分に根付いていないことも明らかになりました。今後の取り組みの中で、これらの課題への対応について検討していきたいと考えています。

他にも、今後の取り組みについて話し合う中で、コーヒーの生産に欠かせない有機肥料が不足していることが複数の生産者に共通する課題として挙げられました。また、自給自足の暮らしとコーヒー生産を両立させるための方法として、ヤギやウサギなどの家畜の必要性についても多くの意見が交わされました。
特に女性の生産者からは、「夫の所有する家畜ではなく、自分たちで管理し、飼育できる家畜を持ちたい」という切実な声が聞かれました。自分たちの家畜を持つことで収入を得る選択肢が広がり、経済的・社会的な自立につながる—その思いに、多くの女性生産者が賛同していました。

ブルンジでは政治的・経済的な課題が今も続いており、人々の暮らしには多くの困難があります。私たちはこれからも、女性をはじめとする生産者との対話を大切にし、一人ひとりが安心して生活とコーヒー生産を続けられるよう寄り添いながら取り組みを進めていきます。

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