ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!
Fair Trade Report
女性生産者の家庭にソーラー発電キットを設置【ブルンジ】
2023年7月、フェアトレード部員が海外のパートナーとともにブルンジのコーヒー生産者を訪問しました。
ブルンジは東アフリカに位置する、タンザニア、ルワンダ、コンゴ民主共和国と国境を接する国です。日本で例えると四国の約1.5倍の面積の国土に、1,153万人が暮らしています。GDPは30.75億ドル、189ヵ国中163位(2024年)であり世界最貧国の1つとされています。国土の大部分に標高1,500mほどの高原が広がっており、風味豊かなコーヒーが栽培されています。
ブルンジはかつて「ルアンダ・ウルンディ」として、隣国ルワンダとともにベルギーの統治下に置かれていました。同一の植民地を形成していたことにより、ルワンダとは言語や社会構造、民族構成が近いという特徴があります。
1962年にベルギーから独立後、ブルンジではルワンダと同様に、多数派であるフツ族と少数派ツチ族の民族対立抗争が繰り返されていました。そのため現地には多くの紛争未亡人の女性が暮らしています。
ゼンショーは2012年から、ブルンジの女性生産者組合とコーヒーのフェアトレードに取り組んでいます。現地では社会開発資金を使用し、就学児童を多く育てる若い生産者を中心に、ラジオを備え付けたソーラーパネルキットを配布。この活動は2020年~2021年の2年間で、5つの生産者組合の合計75世帯、1,500名の生産者に裨益しました。
※社会開発資金…原料買取価格の中で現地の人々が必要とする様々な生活改善活動に充てられる金額のこと。
女性生産者の一人は「これまではオイルトーチで明かりを灯していたので、煙による健康被害に悩まされていたほか、幼い子どもがいる時には火傷などの心配をしなければなりませんでした。ソーラーパネルで発電できるようになってからは、安心して生活ができています。」と語りました。また、「都心と違って新聞が普及していないため、この地域ではこれまで情報を取得する手段がありませんでした。今では近隣の母親たちで集まって一緒にラジオを聞いており、交流が生まれています。」と教えてくれました。近隣の子どもたちも、明かりのある家庭に集まり、夜間でも家庭学習ができるようになりました。
ゼンショーはこれからも、ブルンジの女性生産者とのフェアトレードに継続して取り組んでまいります。