ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!

Fair Trade Report

広大な大地の恵みをお客様へ【南アフリカ】

ゼンショーは2022年6月から、南アフリカとルイボスティーのフェアトレードを行っています。
2024年4月、フェアトレード部員がルイボスの産地を訪問しました。

南アフリカ共和国では、日本の約3.2倍の面積である122万平方キロメートルの国土に、約6,000万人が暮らしています。テーブルマウンテン国立公園やケープペンギンの生息地としても知られる首都ケープタウンから、北へ車で約2時間移動したシトラスダルという町で、ルイボスは栽培されています。

南アフリカは1652年にオランダ人がケープタウンに入植し、オランダの植民地となりました。その後、金鉱山の開発が行われるようになったことで、その豊富な資源を求めてイギリスからの移住者が増え、1814年にはイギリスの植民地に。白人政府が1948年、政治的な権力と鉱物資源の独占を目的にアパルトヘイト政策を実施しました。1994年に廃止されるまで、主に白人を黒人に比べて優遇し、政治的・経済的に差別する措置が執られていました。その結果、今日でも教育や職業の選択に格差が生じるなど、特に黒人若年層の失業率の高さや収入格差に深く影響を及ぼしています。

ゼンショーはアパルトヘイト政策撤廃後の人種間の融和を図る活動を行う企業の取り組みに賛同し、ビジネスパートナーとしてオーガニックルイボスティーのフェアトレードを開始しました。

ルイボスはケープタウンの北側にあるセダルバーグ山脈一帯のみに自生するマメ科の低木で、この木の葉を加工したものをルイボスティーと呼びます。加工段階で発酵・乾燥させた葉をお湯で抽出すると紅茶のように赤くなり、ほのかな甘みを持ちます。日本では抗酸化物質を含むノンカフェインの健康飲料として人気を博しています。

今回の訪問ではルイボスの圃場や加工工程、社会開発資金の使用状況を確認。ルイボスは広大な自然の中、20の圃場で有機栽培されており、工場では品質管理が徹底されていました。

※社会開発資金…原料買取価格の中で現地の人々が必要とする様々な生活改善活動に充てられる金額のこと。

南アフリカでは、貧富の差の拡大、薬物の蔓延、周辺国からの不法移民増加などの理由で犯罪が増え、治安の悪化が問題となっています。公共交通機関の利用は危険が伴うことから、ゼンショーはフェアトレードによる社会開発資金を使用し、ルイボスティーの生産に関わる従業員や、学童を利用する子どもたちを送迎するためのバスを購入。このバスの利用により従業員や子どもたちは安全に通勤、通学ができるようになり、今では約500人がこのバスを毎日利用しています。

ゼンショーは今後も、南アフリカとのフェアトレードに継続して取り組んでまいります。

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