ソマリア難民支援

ケニア産のミルク(常温長期保存可能牛乳)を難民キャンプの子どもたちへ

なぜゼンショ―がソマリア難民を支援するのか?

ゼンショーグループでは、2009年よりケニア・ルクリリ地区、カンガイタ地区で生産された紅茶をフェアトレードで輸入しています。
ケニアは北東部でソマリアと国境を接しており、20年以上も内戦・無政府状態が続くソマリアからの難民を、国境近くにあるダダーブ難民キャンプで受け入れています。キャンプでは最大約45万人が生活をしていました。

2011年7月、ソマリア南部での干ばつによる飢饉の発生が国連発表の報道により伝えられました。
「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という理念を持つ企業として、また、フェアトレードの取組相手として、フード業での支援ができないかを検討し、ダダーブキャンプの子どもたちの学校給食として常温長期保存可能なミルクを届けることにしました。

なぜゼンショ―がソマリア難民を支援するのか?

難民キャンプの子どもたちにミルクを届けよう

ゼンショーグループが届けているミルクは、2012年1月から週1回、プレスクールの3~5才の子どもたち最大1万8千人に配布してきました。

ミルクの特徴

  • 超高温瞬間殺菌(UHT法)と無菌充填により長期常温保存が可能
  • 1パックで3~5歳の児童に必要な1日の摂取量のタンパク質40%以上、カルシウム50%以上が補える
  • イスラム教徒のソマリア難民に配慮しハラール認証を取得済み
  • 子どもたちが学校へ行くモチベーションになる
難民キャンプの子どもたちにミルクを届けよう

ゼンショーの役割と取り組み相手

ゼンショーはケニア大使館およびケニア難民局とともにミルクの調達・物流の企画設計、必要な資金の拠出、物流・保管における衛生面でのノウハウ提供を行いました。今後も現地視察や関係者からの報告による情報収集を通じ、現地のニーズに合わせた支援をしています。

資金の拠出

ゼンショーグループ ミルク72万パックと輸送コスト(年間3,000万円相当)

1.調達・製造

調達・製造

・ケニアの乳業メーカーNKCC社(ニャフルル工場⇒ナイロビ倉庫)
・ルクリリ地区紅茶葉生産者が飼育する乳牛からの余剰分を含む

2.物流

物流

・ケニアの運送会社TTL社

3.保管

保管

・ケニア難民局倉庫

4.配布

配布

・ミルク配布の様子

2012年2月 視察レポート

現地を訪問

ゼンショーが支援の決定をしてから、2011年の間に数回、ミルク工場の視察や物流のリサーチ、調達数の商談などで現地を訪問していました。

2011年12月にはダダーブキャンプへミルク3万パックを送り込み、2012年1月から子どもたちへの配布を開始。今回はその配布の様子と在庫管理を確認してきました。

ミルクの配給数の記録を見ると、毎週水・木の2回に分けて約700ケースを配っています。段々配給数が増えているのは、学校に来る子どもたちが増えているということなので、登校へのモチベーションとしては効果が出ているのだと思います。

難民局のコメリ局長の協力も素晴らしく、キャンプ現地の方々から手伝いの申し出があるなど、彼の人柄のおかげです。ミルクメーカーのNKCC社も、通常の積み方だと荷崩れしやすいと指摘すると、すぐに輸出用のハードケースを使ってくれ、しかも支援に共感しているのでコストはそのままでいいと申し出てくれました。相談し合えるパートナーに出会えたことは支援を続ける上でもよかったと思います。

(ゼンショーソマリア難民支援委員会 廣瀬マネジャー)

2015年 情勢の安定により、緊急支援としての活動は終了

ゼンショーのソマリア難民支援は2015年で4年目に入り、1月時点で150万パック(6万5,000ケース)を配給。12月までに193万パック(7万8,000ケース)の配給完了を予定しています。この配給が子供たちの栄養改善や、学校への通学のモチベーションになったという声を現地からもいただきました。
ソマリア・ケニア東部では2011年から2014年まで大干ばつは発生しておらず、ケニア政府も国策としてソマリア難民を帰還させる方針を出すなど、情勢が安定しています。ゼンショーは、緊急支援としての状況は終了したと判断。2015年をもってミルク配布事業を終了することを決定しました。