ゼンショーフェアトレードの取り組みを現地よりお届けします!
Fair Trade Report
レンカ民族の文化を共に紡いでいく【ホンジュラス】

2026年3月、フェアトレード部員がホンジュラスのコーヒー生産者を訪問しました。

ホンジュラス西部に位置するレンピラ県は、雄大な山岳地帯に囲まれ、いまなお様々な歴史と文化が息づく地域です。
この地域は、かつて先住民族であるレンカ民族が独自の文化を築き上げた場所として知られています。県名の「レンピラ」は、16世紀にスペインの征服に立ち向かったレンカ民族の英雄の名に由来し、いまもホンジュラス国民の誇りとして語り継がれています。
レンカ民族は、自然を敬いながら農耕や手仕事を営み、村の人々のつながりを大切にする文化を育んできました。その暮らしは、地域に根ざした独自の文化として受け継がれていましたが、長きにわたる植民地支配と抑圧の歴史の中で、レンカ民族に伝わる文化のほとんどが失われてしまいました。

20世紀後半には、緑の革命により農薬や化学肥料が広まり、レンカ民族のコーヒー生産者が代々受け継いできた伝統的な農法は次第に姿を消していきました。効率を重視した農業への転換は、一時的な生産量の増加をもたらした一方で、土壌の劣化や生産者自身の健康被害といった問題を引き起こしました。さらに近年では、企業が進める山林開発などに対し、暮らしを守ろうとするレンカ民族が起こした反対運動が弾圧されるなど、現地の人々は長い年月を通じて多くの試練と向き合ってきました。現在でも、政府の汚職や制度の不安定さによって地方の発展が進まず、そこに気候変動や物価の上昇などが追い打ちをかける形で、コーヒー生産者の暮らしをより困難にしています。

ゼンショーと取り組みを行うコーヒー生産者たちは、失われつつあるレンカの文化を取り戻したいという強い願いを胸に集まった人々です。先祖代々受け継がれてきた土地で、伝統的な農法によるコーヒー栽培を続けることで、レンカ民族の精神性と文化をもう一度この土地に根付かせようと努めています。また、その価値を地域へ広める活動にも力を注いでいます。人々が “レンカ民族”という共通のアイデンティティのもとに学び合い、支え合うことで、レンカ文化の息づく未来を次の世代へ繋いでいこうとしています。

ゼンショーは、こうしたコーヒー生産者たちの想いに強く共感し、フェアトレードの取り組みを開始しました。2025年には、レンピラ県の生産者たちのコーヒーがはじめて日本へ輸出され、レンカ民族の文化と誇りを体現するコーヒーが日本の消費者へ届けられました。コーヒーを通じて人々の想いがつながり、文化再興へ向けた大きな一歩となりました。
生産者からは、「ゼンショーとの取引を通じて日本とのつながりが生まれ、私たちのコーヒーを市場へ届ける扉が開かれたことを心から感謝しています。私自身、この取り組みを大変うれしく感じていますし、他の仲間たちも同じようにゼンショーとの取引の価値を実感しています。今後も継続的な関係を築き、共に成長していけると確信しています」という声が寄せられました。
今回の訪問では、フェアトレードの取り組みに向けた高い意欲と、生産者たちの間により深い連帯感が育まれていることを強く感じました。地域の人々が手を取り合うことで、レンカ文化の再興だけでなく、地域の暮らしや経済の発展を支える循環を生み出していることが伝わってきました。

今後は、社会開発資金を活用し、コミュニティセンターの建設を進めていく予定です。この施設は、地域の人々がレンカ文化を学び、発信する拠点であると同時に、コーヒー生産者が集い、活動を広げていくための中心として活用されることを目指しています。

ゼンショーはこれからもレンピラ県のコーヒー生産者とともに、学び合いながら受け継がれていくレンカ文化の新しい形を育んでいきます。また、彼らと日本の消費者のつながりを一層深めることで、互いの未来を支え合う関係を築いていきます。




