パキスタン洪水被災地で食糧配布を実施

被災者に日常食を

2023年2月~3月、ゼンショーはパキスタンの洪水被災地で、現地で緊急支援を行う特定非営利活動法人ジェン(以下ジェン)を通じた食糧配布を実施しました。

パキスタンでは2022年6月以降、モンスーン等の影響で豪雨が続き、各地で大規模な洪水が発生しました。8月には国土の3分の1が冠水する事態となり、同25日にはパキスタン政府が「国家緊急事態」を宣言。洪水による死者は 1,700 人以上、被災者は国民の約 7 人に 1 人にあたる 3,300 万人以上に及んでいます。

現地では多くの家屋が流失・冠水・倒壊したほか、人々の収入源である農地や家畜までもが被害を受けました。災害発生時に避難していた人々は元の居住地に戻りつつありますが、生活基盤が整わず、今もなおテントで生活を送っている人々がいます。

ゼンショーはこの災害に際し、2022年9月に緊急支援を決定し、グループの店舗で募金活動を実施。並行して、様々な関係機関と支援内容について協議を重ね、ジェンを通じた食糧配布を決定しました。

ジェンの現地スタッフは、被害が深刻な地域の一つであり約85万人が被災したシンド州ダドゥ郡に赴き、被害状況の調査を行いました。半壊または全壊している住居、未だ食糧支援を受けていない世帯、身体の不自由な方や妊婦、乳児がいる世帯などの基準に従い、食糧を配布する村が選定されました。

食糧配布を行う村では、村の住民で構成された被益者特定委員会とジェンのスタッフが、配布先の特定と各世帯に直接訪問して世帯状況の確認を行います。

被益者が決定すると、各村で主食となる米や小麦粉のほか、パキスタンの人々が日常的に口にする豆や紅茶などを詰め合わせた、現地スタッフこだわりのパッケージが配布されました。

今回食糧を受け取った、4人目の子どもの出産を控えていた女性は「子どもが生まれる前の大事な時期に食糧を受け取ることができて、本当に助かりました」と感謝の言葉を語りました。

また、ある女性はスタッフに、「(このような事態の中でも)チャイ(紅茶)を飲めるとは、なんて贅沢なことでしょう」と笑顔で喜びを伝えました。チャイは嗜好品だと思われがちですが、人々の暮らしに深く結びついた、なくてはならないものです。避難生活中であってもチャイを飲み、ホッとする時間を持つことは、復興に向けての活力を取り戻すことにも直結しています。

ゼンショーは今後も災害発生に際して、被災地に寄り添った企業活動や支援活動に取り組んでまいります。

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